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the apple と the book で the の音が違う——冠詞は「文字」ではなく「音」で決まる

英語で最も出現頻度の高い語は the、a、an の三つです。最初の授業で覚えたはずの単語ですが、the には二通りの読み方があり、a と an の使い分けも文字では決まらない——これを習った記憶がある人は、あまり多くありません。

細かい話に聞こえるかもしれませんが、冠詞はほぼすべての文に出てきます。一日に何百回も繰り返されるので、扱い方の差はそのぶん増幅されます。間違えても通じなくなるわけではありません。ただ、英語が「一語ずつ区切って並べた」ように響き続けます。

the は /ðə/ と /ði/ の二種類

判断基準は一つだけ、次に来る語の最初の「音」です。

なぜ二種類あるのか。/ðə/ のすぐ後ろに母音が来ると、母音同士がぶつかって言いにくいからです。そこで英語は /ə/ を、より前寄りで狭い /i/ に切り替えます。すると自然に軽い /j/ の渡り音が生まれ、二語がつながります。the apple は実際には /ðijæpl/ に近く、途中で切れ目がありません。

もう一つ、「まさにその」と強調したいときの the は /ðiː/ と長くはっきり読まれます。"It's the place to go." のような場合です。これは意図的な例外で、標準の読み方ではありません。

a と an もまったく同じ理屈

学校では「母音字の前は an」と教わります。この説明が多くの人を迷わせてきました。決めているのは文字ではなく音だからです。

the も同じ語の前ではそのまま音に従います。the hour /ði ˈaʊə/、the university /ðə ˌjuːnɪˈvɜːsəti/。

日本語話者がはまりやすい二つの穴

一つめは、the をすべて /ðə/ で済ませてしまうこと。さらに「ザ」に置き換えてしまう場合もあります。/ð/ は舌先を軽く前歯に触れさせ、その隙間から声を伴った息を出す音で、/z/ とは別物です。短く目立たない音なので、いちばん置き換えられやすいところでもあります。

二つめはもっと気づきにくい穴です。冠詞と名詞のあいだに切れ目を入れてしまうこと。日本語は拍がはっきり区切れる言語なので、the | apple と一拍置く癖が出ます。英語の冠詞は弱形で、単独で立つようにはできていません。前ではなく後ろに寄りかかり、次の語とひとまとまりのリズムを作ります。an hour は二語ではなく /əˈnaʊə/、一語のように響きます。個々の音が正しくても、ここで区切るとリズムが崩れます。

練習は「名詞を先に言う」

綴りを見て推測しないこと。順番を逆にして、まず名詞を声に出し、その出だしが母音か子音かを感じてから、冠詞を後ろから付け足します。

三つ続けて言ってみてください。

後ろの二つが本番です。used は綴りでは母音字の u で始まりますが、音は子音 /j/ で始まります。ここで迷わず a と /ðə/ が出てくるなら、文字ではなく音を聞けているということです。

語の頭が母音か子音か、その場で確かめたいとき——PHONO はカメラを向けるだけで英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞けます。冠詞の読み方は、その時点で答えが出ています。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com