cat、cake、car、about——同じ文字 a なのに、4つの違う音になる理由
英語を「綴りのルール」で覚えた人は、文字 a を1つ、多くても「短い a」「長い a」の2種類として覚えていることが多いはずです。でも実際には、ネイティブは同じ文字 a を4つのまったく違う音として使い分けています。しかもその切り替えは、教科書の最初のページにはあまり書かれていません。
読み方①:閉音節では短い /æ/
cat /kæt/、bag /bæɡ/、hand /hænd/、plan /plæn/、apple /ˈæpl/。これらはすべて、a のすぐ後ろに子音が来て、そこで音節が閉じるという共通の構造を持っています。この形のときは a は必ず短く、口を横に大きく開いた /æ/ になります。
読み方②:開音節、または「マジック e」の構造では二重母音 /eɪ/ に
cake /keɪk/、name /neɪm/、place /pleɪs/、make /meɪk/、table /ˈteɪbl/。これらは子音をひとつ挟んで発音されない e が続く「マジック e」の形を持っています。e 自体は音を出しませんが、その前の母音を変えてしまいます。このとき a はもう単母音ではなく、/e/ から /ɪ/ へ滑っていく二重母音になります。アルファベットの名前「A」を発音するときの、まさにあの音です。
対比すると分かりやすいです。cap /kæp/ は短いままですが、e をひとつ加えた cape /keɪp/ は完全に /eɪ/ に変わります。plan /plæn/ と plane /pleɪn/ も同じ関係です。これは例外ではなく、英語の綴りと発音の対応の中でもっとも規則的なパターンのひとつです。
読み方③:a の直後に r が来て、その後に母音が続かない場合は長い /ɑː/ に
car、start、arm、park、hard。この a は /æ/ でも /eɪ/ でもなく、長く豊かな後舌母音 /ɑː/ になります。ここでアメリカ発音とイギリス発音が分かれます。アメリカ発音では r もはっきり発音し(car /kɑːr/、start /stɑːrt/)、イギリス発音では r をまったく発音せず、母音を伸ばすだけです(car /kɑː/、start /stɑːt/)。どちらも正しく、単に別々の一貫したシステムなので、混ぜて使わないほうが安全です。
読み方④:強勢のない音節では a は /ə/ に潰れる
about /əˈbaʊt/、sofa /ˈsəʊfə/、asleep /əˈsliːp/、woman /ˈwʊmən/(2つ目の a)。a が強勢のない音節に来ると、単独ではどんな音であっても、押しつぶされて短くなり、英語でもっとも出現頻度の高い母音 /ə/ になります。about の最初の部分が「ア」らしく聞こえないのは、まさにこのためです。
ほぼ全員が間違える例外
any /ˈeni/ と many /ˈmeni/。上の4つの規則から考えると /æ/ か /eɪ/ になりそうですが、実際にはどちらも a を /e/ と読みます——bed の母音と同じです。この2語は非常に頻出なので飛ばせませんが、どの規則からも導けず、個別に覚えるしかありません。
どのルールを使うか見分ける方法
まず構造を見ます。a の直後に子音が来て音節が閉じる → /æ/。a の後ろに子音、さらに発音されない e が続く → /eɪ/。a の直後が r で、その後に母音が続かない → /ɑː/(アメリカ発音では r も聞こえる)。a が強勢のない音節にある → /ə/、ただしこれは文の強勢がどこにあるか聞き取れる必要があります。any / many の例外は、見つけたときに個別に覚えれば十分です。
練習:4つの単語を続けて読む
cat /kæt/ → cake /keɪk/ → car /kɑː/ → about /əˈbaʊt/ の順に続けて発音してみてください。綴りは似ていても、口の形と長さがそのたびにまったく変わることに気づくはずです。この対比が体に入れば、初めて見る a を含む単語も、閉音節・マジック e・a+r・強勢なしのどれかを確認するだけで、読み方の見当がつくようになります。
初めて見る単語の a がどの音になるか分からないとき——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞けます。
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