アルファベットの e は「1つの音」じゃない——be、bed、taken、like で全部違う
単語を覚えるほど、「e にはひとつの決まった読み方があるはず」と思い込みやすくなります。でも辞書を引くと、be は /biː/、bed は /bed/、taken の後ろの e はほとんど聞こえず、like の e に至っては音そのものがありません。同じ文字なのに、まったく別の四つの運命を持っています。
顔その1:/iː/ ——強勢があり、開音節のとき
- be /biː/、he /hiː/、she /ʃiː/、we /wiː/
- even /ˈiːvən/、evil /ˈiːvəl/、region /ˈriːdʒən/
e に強勢があり、その音節の後ろが子音で「閉じられて」いなければ、たいてい文字そのものの名前どおり、長母音 /iː/ になります。
顔その2:/e/ ——閉音節の短母音
- bed /bed/、red /red/、ten /ten/、best /best/
多くの学習者が最初にイメージする e の音です。ところが同じ /e/ は、e を含まない綴りの中にも隠れています。
- said /sed/(「セイド」ではない)
- friend /frend/(「フリーンド」ではない)
- bury /ˈberi/、leopard /ˈlepəd/、again /əˈɡen/(イギリス発音でよく使われる読み方)
綴りはバラバラでも、着地する音は同じ短い /e/。見たことのない単語に出会ったら、綴りを信じるより「この音節は閉じているか」を確認するほうが役に立ちます。
顔その3:/ə/ ——強勢が外れるとシュワーにつぶれる
e も他の母音字と同じで、強勢のない音節に入った瞬間、シュワー /ə/ につぶれます。
- taken /ˈteɪkən/、open /ˈəʊpən/、moment /ˈməʊmənt/、silent /ˈsaɪlənt/
これらの単語で「エ」とはっきり言う人はいません。e はただ音節の場所を確保しているだけで、声そのものは強勢のある音節に譲っています。
顔その4:発音しない——音ではなく「合図」
いちばん戸惑うのがこれです。語末の e はまったく発音されないのに、その前の母音の読み方をこっそり変えてしまいます。対で見るとわかりやすいです。
- hop /hɒp/ → hope /həʊp/
- cut /kʌt/ → cute /kjuːt/
- kit /kɪt/ → kite /kaɪt/
- mat /mæt/ → mate /meɪt/
- rid /rɪd/ → ride /raɪd/
左は短母音、右は語末に e が付いて、母音が「アルファベットの名前」どおりの音に変わります。そして e 自体は聞こえません。音というより、スイッチのような働きです。英語では "magic e" と呼ばれることもあります——語末に立ち、子音をひとつ挟んだ前の母音を伸ばし、自分は静かに消える。
なぜこの四つを分けて考える価値があるのか
e を「ひとつの音」として単語ごとに覚えていると、実際には四つのまったく別のルールを、ひとつのラベルの下でまとめて処理していることになります。位置——開音節か閉音節か、強勢があるかないか、語末に単独の e が立っているか——を先に確認するほうが、一語ずつ暗記するより負担が少なく、しかも見たことのない単語にも応用できます。
知らない単語に出会ったら試してみてください。その e は、強勢のある開音節、閉音節の短母音、強勢のないシュワー、それとも語末の合図でしょうか。位置さえわかれば、たいてい答えは出ます。
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