government の -ment に強勢は来ない——静かなままでいい音節の話
government、environment、development、argument。綴りも意味も知っているのに、声に出すと -ment をしっかり、はっきり読んでしまう人は多いはずです。間違ってはいないのですが、それでは英語らしく聞こえません。
原因は発音を間違えていることではなく、本来弱いはずの音節を強く読んでいることです。
ルール1:名詞をつくる -ment に強勢は絶対に来ない
-ment で終わる語のほとんどは、-ment が付く前にすでに強勢の位置が決まっています。-ment 自体は弱く縮まり、あいまいな /mənt/ になります。
- government /ˈɡʌvənmənt/ — 強勢は gov、-ment は /mənt/ に弱化
- environment /ɪnˈvaɪrənmənt/ — 強勢は vi、-ment は弱いまま
- development /dɪˈveləpmənt/ — 強勢は vel
- movement /ˈmuːvmənt/、statement /ˈsteɪtmənt/、treatment /ˈtriːtmənt/、punishment /ˈpʌnɪʃmənt/、agreement /əˈɡriːmənt/、equipment /ɪˈkwɪpmənt/、moment /ˈməʊmənt/
強勢のある音節を伸ばし、-ment をほとんど聞こえないくらい縮めてみると、ぐっとネイティブらしくなります。
ルール2:ごく一部の単語では -ment 自体が強勢を持つ
見た目は同じ -ment でも、まったく逆に読む単語があります。cement、augment、そして動詞として使う torment、ferment です。これらは「語根+接尾辞」で作られたのではなく、ラテン語やフランス語からそのまま2音節の単語として入ってきたため、強勢は自然に2音節目に来て、母音もはっきり発音されます。
- cement /sɪˈment/ — 強勢もはっきりした母音も -ment 側
- augment /ɔːɡˈment/ — 同じパターン
ルール3:torment、ferment は名詞と動詞で強勢が入れ替わる
さらに繊細なのがこの2語です。名詞のときは強勢が最初の音節に戻り、動詞になると -ment 側に移ります。record(名詞)/record(動詞)とまったく同じ仕組みです。
- torment(名詞):/ˈtɔːmənt/(強勢は前)/"to torment someone"(動詞):/tɔːˈment/(強勢は -ment)
- ferment(名詞):/ˈfɜːment/(強勢は前)/(動詞):/fəˈment/(強勢は -ment)
なぜこうなるのか
ルール1の単語は、ほとんどが「動詞・形容詞+-ment」で作られた名詞です(govern→government、move→movement、develop→development)。英語には、接尾辞を付けても元の単語の強勢の位置は動かさず、接尾辞自体も強勢を奪わないという安定した習慣があります。一方ルール2・3の単語は接尾辞で作られたのではなく、完成した形でそのまま借用された単語なので、まったく別の強勢ルールに従います。だからこそ「綴りから強勢を推測する」がここでは通用しません。強勢を決めるのは見た目ではなく、その単語がどう「組み立てられたか」なのです。
練習法
よく使う -ment の単語を5つ選んでください(government、environment、development、agreement、equipment)。声に出して、-ment をわざと軽く短く、「これはさすがに手抜きでは」と思うくらいまで弱めてみましょう。その手抜きに感じるほうが正解です。
ある -ment の単語を弱化させるべきか、強勢が本当はどこにあるのか——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA(強勢つき)で表示し、米英どちらの音声も聞けます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com