voice の母音は「オ」+「イ」を別々に言うのではない——すべる二重母音 /ɔɪ/
boy、voice、choice、noise、point。これらの単語を声に出すと、つい「オ」と言ってから一拍おいて「イ」と言ってしまいがちです。二つの音を無理につなげたような、単語というより二音節の羅列に聞こえてしまいます。
原因は綴りが見慣れないことではありません。これが二つの別々の音ではなく、ひと続きの動きだと教わっていないだけです。
二つの母音ではなく、ひとつの滑らかな動き
oi と oy という二つの綴りは、どちらも同じ発音記号 /ɔɪ/ を指します。これは「閉じる二重母音」——口がひとつの位置から滑るように別の位置へ移動する音で、途中で止まったり息を切ったりせず、ひと音節の長さの中で完結します。
出発点は /ɔ/。law や thought の母音に近く、舌はやや後ろ、唇は丸めます。到達点は /ɪ/。sit の母音に近く、舌はやや前・やや上がり、唇の丸めはゆるみます。口は確かに動いていますが、その動き全体がひと拍に収まります。
boy /bɔɪ/ をゆっくり言ってみてください。唇を一瞬丸め、そのまま /ɪ/ の形へゆるめながら音が終わる——これがひとつの連続した動きです。まずはゆっくり動きを感じ、それから普段の速さに戻します。
綴りのパターン:語末は oy、語中は oi
- boy /bɔɪ/、toy /tɔɪ/、joy /dʒɔɪ/、enjoy /ɪnˈdʒɔɪ/、royal /ˈrɔɪəl/、employ /ɪmˈplɔɪ/、annoy /əˈnɔɪ/、destroy /dɪˈstrɔɪ/ ——すべて oy で、語末か母音字の直前に来ます
- voice /vɔɪs/、choice /tʃɔɪs/、noise /nɔɪz/、point /pɔɪnt/、coin /kɔɪn/、avoid /əˈvɔɪd/、oil /ɔɪl/、boil /bɔɪl/、poison /ˈpɔɪzn/ ——すべて oi で、直後に子音字が続きます
これは偶然ではありません。英語の綴りには、いくつかの母音の組で「語末は y、語中は対応する母音字」を使う習慣があります。day/rain の関係(語末が ay、語中が ai)と同じ発想です。oyster /ˈɔɪstə/ は語中に oy が来る数少ない例外ですが、これは特殊例であって、規則そのものを疑う理由にはなりません。
つまずきやすい二つのポイント
一つ目は先ほどの、二音節に分けてしまうこと。ひと拍として扱い、途中で止めないことです。
二つ目は、/aɪ/(line、kind、bright の母音)との混同です。/aɪ/ は低く唇を丸めない位置から始まり、「アイ」に近く聞こえます。/ɔɪ/ は唇を丸めた、より後ろの位置から始まり、「オイ」に近く聞こえます。boy /bɔɪ/ と buy /baɪ/ は出発点だけが違いますが、まったく別の単語です。混同すると相手には確実に伝わりません。
練習法:出発点の違いを感じる
boy /bɔɪ/ - buy /baɪ/ - bore /bɔː/ を続けて言ってみてください。一つ目は丸めた位置から /ɪ/ へ滑ります。二つ目は丸めない低い位置から /ɪ/ へ滑ります。三つ目は丸めたまま、滑らずに伸ばすだけです。混同はたいてい、口が実際どこから動き始めているかに気づいていないために起こります。
二重母音がどこから始まり、どこで終わっているか自信がないときは——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞けます。実際の口の動きと照らし合わせられます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com