cow と snow、同じ ow なのに発音が違う理由
単語を覚えるとき、たいてい気づかないままなのですが、cow・how・town・brown の ow と、snow・know・grow・show の ow は、実はまったく別の音です。前者は /aʊ/、後者は /əʊ/(アメリカ英語では /oʊ/)。綴りは同じ4文字でも、母音はまったくの別物です。
厄介なのは、綴りだけからどちらの音か確実に判断するルールが存在しないこと。頼りになるのは、この二つのグループを「よく使う単語のセット」として覚えることと、大まかに使える一つの目安です。
まず二つの音の違いを掴む
/aʊ/ は顎を大きく開き、/a/ から /ʊ/ へ滑る音で、out や house と同じ、開いて響く音です。
/əʊ/ はゆるんだ中立の /ə/ から /ʊ/ へ静かに滑る音で、go や home と同じ、こぢんまりと丸い音です。
綴りが変わらないせいで、多くの学習者はどちらか一方の音に決め打ちしてしまいます。それだと半分近くが間違った読み方になってしまいます。
グループ1:/aʊ/
cow、how、now、town、down、brown、crown、frown、gown、drown、owl、howl、growl、power、tower、flower、allow、crowd。
グループ2:/əʊ/
know、grow、show、throw、blow、glow、flow、low、slow、snow、own、mow、tow、bestow。
グループ2をよく見ると、はっきりしたパターンがあります。ほぼすべてが「成長する・現れる・流れる・所有する」に関わる動詞なのです——grow、show、throw、blow、flow、know、own。これは偶然ではありません。これらの単語は歴史的に、古英語の同じ系統の動詞パターンから枝分かれしたもので、発音が変化した後も綴りだけがそのまま一緒に残っているのです。一方グループ1は、cow、how、town、brown のように、もともと別の道筋を辿ってきた名詞や疑問詞が中心です。
実用的な目安
-own で終わる語に注目してください。know→known、grow→grown、show→shown、throw→thrown、blow→blown のように、動詞に -n を付けてできた過去分詞なら /əʊn/。down、town、brown、crown、gown、drown、frown、clown のように、もとから名詞・形容詞ならば /aʊn/。own 自体も /əʊn/ です。これはグループ2に属する「所有する」を意味する動詞・形容詞だからです。
この目安以外は、上の二つのリストをそのまま覚えてしまうのが一番早い方法です。高頻度語はせいぜい数十語程度です。
同じ綴り、違う音、違う単語
英語にはいくつか、ow の読み方だけで意味が変わる語があります。
- bow — /baʊ/ ならお辞儀をする(bow to the audience)、/bəʊ/ なら弓やリボンの形(bow and arrow、bow tie)
- row — /raʊ/ なら口論(they had a row)、/rəʊ/ ならボートを漕ぐ・列(row a boat、a row of seats)
- sow — /saʊ/ なら雌豚、/səʊ/ なら種をまく(sow seeds)
綴りだけでは区別できず、文脈と発音の両方が必要です。「綴り通りに読めば通じる」が、英語ではどこまで通用してどこで通用しなくなるかを教えてくれる好例でもあります。
ow で終わる単語、/aʊ/ か /əʊ/ か迷ったら——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞けます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com