red が wed に聞こえる理由——/r/ と /w/、違うのは唇ではなく舌
とてもよくあるのに、意外と単独では説明されない発音の癖があります。/r/ を /w/ に置き換えてしまうというものです。right が white のように聞こえ、rock が wok に近づき、red が wed のように聞こえる。相手はその場で訂正してはくれません。ただ一瞬、別の単語を言われたような顔をするだけです。
似て聞こえるのは、実際に近い仲間だから
言語学的に、/r/ と /w/ はどちらも「接近音(approximant)」に分類されます。気流が妨げられず、どちらも「すべる」ような響きを持つ点で共通していて、舌先を上あごに押し当てる /l/ とは性質が違います。カテゴリーが近いぶん、口は楽な方——つまり /w/——に流れやすいのです。
本当の違いは唇ではなく、舌にある
- /w/:唇を丸め、少し前に突き出す。「う」を言い始めるときの形に近い。舌の奥が軟口蓋に向かって上がる。この音はほぼ唇だけで作られ、舌先はほとんど仕事をしません。
- /r/:この音を決めているのは唇ではなく舌です。舌先を上に巻き上げて後ろに引き、口の中央で宙に浮かせたまま、上あごには触れません(舌の中央部を盛り上げる発音の仕方をするネイティブもいます)。唇は少し丸まることもありますが、それは主役ではなく副次的な動きにすぎません。
/r/ を /w/ に置き換えてしまう人は、たいていこの唇のわずかな動きだけに頼ってしまい、肝心の舌先——red に必要なあの巻き上げ——をさぼっています。
違いを体で感じるための最小対立ペア
- red /red/ vs wed /wed/
- right /raɪt/ vs white /waɪt/
- rent /rent/ vs went /went/
- ray /reɪ/ vs way /weɪ/
- reed /riːd/ vs weed /wiːd/
- rock /rɒk/ vs wok /wɒk/
意外な落とし穴:wr- で始まる単語の w は発音しない
wrist、wrong、write、wrap には文字としての w がありますが、音としては存在しません。純粋に /r/ とだけ発音します:wrist /rɪst/、write /raɪt/。ここでは逆方向の間違いが起きがちです。書かれた w を見て、つい /r/ の前に余計な唇のまるめ動作を足してしまうのです。
練習法:唇を固定して、舌だけを働かせる
鏡の前で red と言ってみて、唇を観察してください。もし唇がはっきり丸まって前に突き出るなら、力の入れどころが違います。唇はできるだけ力を抜いたまま、意識のすべてを舌先に向けてください——上に巻き上げて後ろに引き、宙に浮かせたまま上あごに触れさせず、そこから母音に抜ける。最初は舌が疲れるはずです。それは舌がようやく仕事を始めた証拠です。
上のペアを交互に声に出してみましょう。way と言って唇が丸まる感覚を確認し、続けて ray と言って今度は唇をなるべく動かさず、舌の巻き上げだけでこの音を作る感覚をつかんでください。
自分が言っているのは /r/ か /w/ か、自信が持てないときは——PHONO はカメラを向けるだけで英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの発音とも聞き比べられます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com