sea と she が同じに聞こえる理由——/s/ と /ʃ/ の違い
英語の see と she は綴りも似ていて、発音も似ていると思われがちですが、実際は /siː/ と /ʃiː/ というまったく別の子音でできています。この一音の違いが、「見える」と「彼女」を分けています。
日本語の「サ行」がこの区別をあいまいにする
日本語のサ行は母音によって子音の質が変わります。「さ・す・せ・そ」は /s/ に近いのに、「し」は口蓋化して [ɕ] という、英語の /ʃ/ にかなり近い音になります。つまり日本語話者は無意識のうちに、母音が i のときだけ自動的に「シュ寄り」の音を出す癖がついています。この癖のまま英語を読むと、see /siː/ が she /ʃiː/ に寄ってしまいがちです。
/s/:舌先を歯茎に近づけ、狭い隙間から息を出す
舌先を上の歯茎のすぐ後ろに近づけ(触れない)、細い隙間を作って息を通します。音は鋭く、細い「スー」という摩擦音になります。
- see /siː/、sun /sʌn/、bus /bʌs/、sip /sɪp/
/ʃ/:舌を少し後ろに引き、唇を軽く前に突き出す
舌全体をやや後方・上方に引き、/s/ より広くて平たい通路を作ります。同時に唇が自然に少し前へ突き出て、息が通る空間が広がります。音は低く、こもった「シュー」——人を静かにさせるときの音に近づきます。
- she /ʃiː/、shop /ʃɒp/、wish /wɪʃ/、ship /ʃɪp/
最小対で違いを確認する
- see /siː/ vs she /ʃiː/
- sip /sɪp/ vs ship /ʃɪp/
- sock /sɒk/ vs shock /ʃɒk/
- mass /mæs/ vs mash /mæʃ/
- self /self/ vs shelf /ʃelf/
綴りは手がかりになりません。sh はただの文字の組み合わせで、実際に音を分けているのは舌の位置と唇が動くかどうかだけです。
練習法:まず誇張して、それから戻す
鏡の前で、まず長く /s/ を出します——タイヤの空気が漏れるような「スー」。舌先がほぼ歯茎に触れそうで、唇はリラックスして横に開いているはずです。次に長く /ʃ/——人を黙らせるときの「シュー」。舌が後ろに引かれ、唇が自然に前へ出てくるのを感じてください。この二つを何度も切り替えて、唇が動く感覚をはっきりさせましょう。唇が動いているかどうかが、いちばん早い自己チェックになります。
そのあとで最小対を交互に練習します。see-she、sip-ship、sock-shock。自分の耳で違いが聞き分けられるようになるまで繰り返してください。
どの単語が /s/ で、どれが /ʃ/ なのか自信がないときは——PHONO はカメラを向けるだけで英文を単語ごとに IPA 表示し、米英どちらの音声も聞けます。
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