she も wish も nation も同じ音——それ、/s/ だと思っていませんか
she、shop、wash、fresh。どれも中学の早い段階で習う単語で、読むこと自体はできる人がほとんどです。でも録音して聞き返すと、あの「シュ」という音が細く尖って /s/ に寄っていたり、逆に出だしに余計な破裂が混じっていたりすることがよくあります。この音は /ʃ/。頻繁に出てくるわりに、舌の位置をきちんと教わる機会がほとんどない音です。
日本語の「シ」に近いようで、少しずれている
- she /ʃiː/ — sea /siː/
- shoe /ʃuː/ — Sue /suː/
- mesh /meʃ/ — mess /mes/
/s/ は舌先を上の歯茎に近づけ、細く平たい隙間から息を出す、鋭くて薄い音です。/ʃ/ はそこから舌をほんの少し後ろに引き、舌先ではなく舌の面(舌端)を歯茎の少し奥に平らに近づけ、同時に唇を軽くすぼめて前に出します。日本語の「シ」はこの /ʃ/ にかなり近い音ですが、英語の /ʃ/ は唇のすぼめがもう一段階はっきりしていて、こもった低めの響きになります。「静かに」と言うときの「シーッ」の口の形を思い出すと近づきやすいはずです。
もっと混同しやすいのは /tʃ/ との違い
/ʃ/ は摩擦音で、息が続く限りずっと伸ばせる音です。/tʃ/ は破擦音で、いったん完全に息を止めてから一気に離し、そのあとに摩擦が続きます。前者は「シューッ」、後者は「チュ」という感覚です。
- wish /wɪʃ/ — witch /wɪtʃ/
- wash /wɒʃ/ — watch /wɒtʃ/
- sheep /ʃiːp/ — cheap /tʃiːp/
- shop /ʃɒp/ — chop /tʃɒp/
簡単なテスト法があります。「シューッ」と3秒間伸ばしてみてください。途切れずに一定の息で伸ばせれば /ʃ/。出だしに「トゥ」のような小さな破裂を感じるなら、それは /tʃ/ に寄っています。
綴りはバラバラでも、音は一つ
/ʃ/ は sh とそのまま書かれることは意外と少なく、いろいろな綴りの中に隠れています。
- -tion:nation /ˈneɪʃn/、station /ˈsteɪʃn/、patient /ˈpeɪʃnt/
- -cian / -cious:musician /mjuːˈzɪʃn/、delicious /dɪˈlɪʃəs/、special /ˈspeʃl/
- -ssion:mission /ˈmɪʃn/、passion /ˈpæʃn/、session /ˈseʃn/
- s + u:sure /ʃʊə/、sugar /ˈʃʊɡə/、insurance /ɪnˈʃʊərəns/
- フランス語由来の ch:chef /ʃef/、machine /məˈʃiːn/、moustache /məˈstɑːʃ/
綴りから音は予測できませんが、この一つの音さえ押さえれば、どの単語も同じ目標です。
練習法
she、shop、fresh を使って、それぞれを「シューッ」と長く伸ばし、舌の面と唇のすぼめの位置を3秒間途切れずに保てるか確認してください。安定してきたら、wish/witch、wash/watch のような対をリズムよく交互に発音し、出だしに余計な破裂が混じっていないか耳でチェックしましょう。
ある単語の /ʃ/ が正しい位置に収まっているか、/tʃ/ に寄ってしまっていないか——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞いて確認できます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com