shirt と short、実はずっと同じ母音で発音していませんか?
何年も勉強していて、発音記号も調べたことがあるのに、話すとネイティブに一瞬「え?」という顔をされる単語のペアがあります。shirt(シャツ)と short(背が低い、短い)です。似た響きなのに、実際には別々の母音で、混同すると "I bought a new shirt" が「背の低い人を買った」のように聞こえてしまうことすらあります。
原因は綴りの覚え違いではありません。この二つの単語はまったく別の母音を使っていて、しかもその母音のどちらも、日本語の母音体系にはそのままの形では存在しないのです。
形がまったく違う二つの母音
shirt の母音は /ɜː/、short の母音は /ɔː/。記号は一文字違いですが、口の中で起きていることはかなり違います。
- /ɜː/(shirt、bird、turn、nurse、her):唇はリラックスしたまま、丸めも横に引きもしません。舌は口の中央あたりに置いたまま、前にも後ろにも寄せず、最後までほぼ一定の、わずかに舌を巻いたような状態を保ちます。英語の長母音の中でもとりわけ「ニュートラル」な音です。
- /ɔː/(short、north、door、walk、talk):唇がはっきり前に突き出て丸まり、舌は後ろに引かれて持ち上がります。後舌の、しかも円唇母音です。
聞き分ける一番わかりやすい手がかりは、唇が丸まっているかどうかです。唇が前に突き出て丸い→/ɔː/。唇がリラックスして何もしていない→/ɜː/。
日本語にはこの対立がそのまま存在しない
日本語の母音は「あいうえお」の五つで、この二つの英語母音のどちらにも完全には対応しません。強いて近いものを探すなら「あ」や「お」ですが、円唇+後舌+巻き舌という組み合わせを持つ音はありません。結果として、多くの学習者はどちらの英語母音に対しても似たような曖昧な「ア」や「オ」で済ませてしまい、唇を丸めるべきタイミングで丸めず、逆に丸めなくていいところで丸めてしまい、本来まったく別の二つの音が同じに聞こえてしまいます。
最小対立ペアで違いを耳に入れる
- turn /tɜːn/(曲がる)— torn /tɔːn/(破れた)
- burn /bɜːn/(燃える)— born /bɔːn/(生まれた)
- fern /fɜːn/(シダ)— fawn /fɔːn/(子鹿)
- curl /kɜːl/(巻き毛)— call /kɔːl/(電話する)
- her /hɜː/(彼女を)— hall /hɔːl/(ホール、イギリス発音では巻き舌なし)
どのペアも子音は同じで、違うのは母音だけです。まずは口の形を大げさにして対比してみてください。左側のグループでは唇を完全にリラックスさせたまま。右側のグループでは、口笛を吹く直前のように唇をぐっと丸めます。耳がこの口の形の違いを音だけで聞き分けられるようになったら、動きを自然な大きさに戻していきます。
なぜこの区別を単独で練習する価値があるのか
どちらの母音も非常に高頻度です。一方は bird、learn、work、first に、もう一方は more、door、walk、talk、all に現れます。この二つを混同するのは些細なアクセントの癖ではありません。turn が torn に、burn が born に、curl が call に変わってしまうのです。文脈だけでは判断できない場面も多く、そこで聞き手の理解が止まってしまいます。
ある単語が /ɜː/ なのか /ɔː/ なのか迷ったら——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も比較しながら聞けます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com