sign の g は無音、signature では発音——gn の並びに隠れたルール
sign は /saɪn/、g を発音しない――そこまでは知っている人が多いはずです。ところが signature になると急に g が聞こえてきます:/ˈsɪɡnətʃə/。同じ語根なのに真逆の振る舞い。多くの人はここで規則性を探すのをあきらめ、単語ごとに丸暗記してしまいます。
実はここにはとてもすっきりしたルールがあり、一見関係なさそうな単語たちもまとめて説明できます。
まず現象の確認:g が n にぴったりくっつくと、無音になる
- sign /saɪn/、design /dɪˈzaɪn/、resign /rɪˈzaɪn/、assign /əˈsaɪn/
- foreign /ˈfɒrɪn/、campaign /kæmˈpeɪn/、reign /reɪn/、sovereign /ˈsɒvrɪn/
- align /əˈlaɪn/、benign /bɪˈnaɪn/、malign /məˈlaɪn/
これらはもともとフランス語やラテン語から、綴りの上で gn という組み合わせごと英語に入ってきた単語です。ただ、英語の発音の仕組みは、この g と直後の n を同じ拍の中でそのまま両方言うようにはできていません。/g/ で息を止めて放し、その直後にすぐ鼻に息を通して /n/ を出す――この動きを一音節に詰め込むのは無理があり、結果として g が省略され n だけが残ります。
同じルールは語頭でも成り立ちます:gnome /nəʊm/、gnaw /nɔː/、gnat /næt/、gnash /næʃ/――g が n にくっついているので、やはり g は無音です。
成立の条件:g と n が「同じ音節」の中にあること
signature がルールを裏切っているように見えるのは、実はルールが崩れたのではなく、条件のほうが変わったからです。sign に -ature が付くと、単語全体の音節の切れ目が変わります:sig-na-ture。g は最初の音節の終わりに取り残され、n は次の音節の先頭に来る。もう隣り合っていないので、g が黙っている理由がなくなるのです。
同じ現象は、いくつかの関連語ペアで繰り返し起こります。
- design /dɪˈzaɪn/ → designate /ˈdezɪɡneɪt/(des-ig-nate、g を発音)
- resign /rɪˈzaɪn/ → resignation /ˌrezɪɡˈneɪʃn̩/(res-ig-na-tion、g を発音)
- malign /məˈlaɪn/ → malignant /məˈlɪɡnənt/(ma-lig-nant、g を発音)
一見無関係に見える単語も、このルールで一気に説明がつきます。pregnant /ˈpreɡnənt/ は preg-nant と切れるので、そもそも g と n は同じ音節に入ったことがなく、最初から g はずっと発音されています。recognize /ˈrekəɡnaɪz/ も rec-og-nize と切れ、同じ理由で g を発音します。逆に signal /ˈsɪɡnəl/ は無音グループに見えるかもしれませんが、sig-nal と切れるため、g と n はもともと分かれており、無音になる条件を満たしたことが一度もありません。
新しい単語にそのまま使える判定法
g のすぐ後ろに n が来たら、この二つが同じ音節の中に、間に何も挟まずくっついているかを確認します。それが sign や gnome のパターンで、g は無音になり n だけが残ります。逆に接尾辞によって二つの音節に引き離されていたら――signature、designate、pregnant のように――g は発音されます。
単語を一つずつ覚える必要はありません。音節の切れ目がどこに落ちるかを見るだけです。
ある単語が実際にどう音節に分かれるのか、その g は発音されるのか――PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞けます。どの文字が本当に鳴っているのか一目でわかります。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com