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guitar の u はどこに消えた?——発音されない「隠れ u」の話

英語を学んでいると、いつか必ず guitar という単語にぶつかります。綴りには g-u-i-t-a-r とちゃんと u があるのに、実際の発音は /ɡɪˈtɑːr/。u の音はどこにもありません。最初にこれに気づくと、「自分がずっと間違えて読んでいたのでは」と疑ってしまう人も多いはずです。

間違いではありません。この u は、もともと発音するために書かれた文字ではないのです。

この u は母音ではなく、g を守るための「詰め物」

英語の綴りでは、g のあとに e・i・y が続くと g は柔らかくなり /dʒ/ になりがちです。gem や giant がその例です。ところが、e や i の前でも g を硬いまま /ɡ/ に保ちたい単語があります。そこで使われるのが、g と e/i のあいだに u を一つ挟むという方法です。この u の仕事は「g を硬いままにしておくこと」だけで、その役目を果たしたらそれ自体は音になりません。

よく出てくる単語:

同じ gu なのに、別のグループでは u がしっかり発音される

ここが本当にややこしいところです。language /ˈlæŋɡwɪdʒ/、penguin /ˈpeŋɡwɪn/、linguist /ˈlɪŋɡwɪst/、distinguish /dɪˈstɪŋɡwɪʃ/、anguish /ˈæŋɡwɪʃ/。このグループでは u は詰め物ではなく、しっかり /w/ として発音されます。

同じ「gu」という綴りなのに、結果はまったく逆。完璧な見分け方はありませんが、大まかな目安はあります。gu のすぐあとに e や i が続く場合(guess、guide、guitar)、u はほぼ発音されません。一方、単語全体が「グワ」という音を含んでいて、そのあとに a が続く場合(language、あるいは iguana の gua が /ɡwɑː/ と読まれる場合)、u は /w/ として発音される傾向があります。これは文法規則ではなく、単語ごとに定着してきた読み方の癖なので、新しい単語に出会ったらそのつど IPA を一度確認して覚えていくのがいちばん早い方法です。

g とはまったく関係ない、もう一種類の「消えた u」

build /bɪld/、built /bɪlt/、biscuit /ˈbɪskɪt/、circuit /ˈsɜːkɪt/。これらの単語には g すら出てきません。u が発音されないのは子音とは無関係で、古いフランス語や英語の綴りがそのまま残り、発音だけが簡略化されたためです。特に build は厄介で、もっとも基本的な動詞のひとつなのに、u と i という二つの母音字が並びながら、実際には /ɪ/ ひとつにまとまってしまいます。

練習法:ルールで解くより先に「見て覚える」

この種の黙字は、その場でルールから導き出せるものではなく、「何度も見て体で覚える」タイプの知識です。guess、guest、guide、guitar、build、biscuit あたりの高頻度語を選んで、u のところで口を開かないよう意識しながら何度か声に出してみてください。口がその感覚に慣れてくると、初めて見る単語でも「ここの u はたぶん発音しない」と早く判断できるようになります。

ある文字が発音されるかどうか、綴りだけから当てるのは意外とはずれます。PHONO はカメラで撮った英文やペーストしたテキストを単語ごとに IPA へ変換し、米英どちらの発音でも聞けるので、どの文字が実際に消えているかが一目でわかります。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com