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button は2音節?3音節?——誰も言っていない母音を、あなたは足しているかもしれない

button をゆっくり言ってみると、多くの人は「バ・トゥ・ン」と3拍で発音してしまいます。でも辞書の発音記号は /ˈbʌtn̩/、2音節です。その真ん中に紛れ込んでいる拍は、ネイティブが一度も発音していない音です。

little、bottle、sudden、cotton、national でも同じことが起きます。見た目は音節が多そうなのに、実際に聞こえる音節数はそれより少ない——理由を教わらないまま、そのままになっている人が多いはずです。

間違っているのは特定の音ではなく、「子音のあとには母音が必要」という思い込み

日本語はほぼすべての拍が母音で終わる、あるいは母音を伴う構造です。この感覚をそのまま英語に持ち込むと、子音が二つ連続したときに反射的に短い母音を挟んで橋渡ししたくなります。t の直後に n が来ると「読み切れていない」ように感じて、間に「ウ」のような音を足してしまうのです。

英語にはもっと省エネな方法があります。子音そのものが音節の核になり、母音を必要としないという仕組みです。

これが音節子音(syllabic consonant)

/n̩/ や /l̩/ の下にある小さな縦線は、この子音自体が音節の核であり、隣に母音を必要としないことを示しています。

母音を足さないほうが、実はラクな理由

母音を挟むのは丁寧に発音しているつもりでも、実際には一手間多いのです。舌先をいったん歯茎から離して母音を作り、それからまた n や l のために戻す——という往復が発生します。ネイティブはこの往復をまるごと省略していて、舌先は t/d から n/l へ直接つながります。変わるのは息の出口(口→鼻、または中央→両側)だけ。動作が一つ減る分、音節は短く速くなります。

見分け方はシンプル

t、d、s、z のような舌先を歯茎につけて出す子音のすぐあとに n、または語末の -le が続き、その音節に強勢がない場合、たいてい母音は不要です——子音自体がその音節になります。逆に前の子音の調音位置が n や l と大きく離れている場合(例:open /ˈəʊpən/ の p は両唇音)、そこにある母音は本物なので省略できません。

練習法:舌先を歯茎に溶接したつもりで

button で試してみてください。舌先を歯茎につけたまま /t/ を保持し、そのまま軟口蓋を下げて息を鼻から一気に抜く——それが n です。途中に「ウ」を挟まないこと。little も同じ要領で、t のあと舌先を離さず、舌の両側だけを緩めて息を逃がします。

この動きに慣れると、button、little、national といった単語が、思っていたよりずっと短く聞こえるはずです。手を抜いているのではなく、英語がもともとそういう音節の作り方をしているだけです。

ある単語が実際に何音節なのか、どこで母音が消えるのか——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに音節・強勢つきの IPA で表示し、米英どちらの音声も聞けます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com