bath の複数形 baths で th の音が変わる——きれいな規則がない音変化の話
bath は単数だと /bɑːθ/、語末は無声音の /θ/(think の音)です。複数形にするとき、多くの学習者はただ /s/ を足すだけだと思って /bɑːθs/ と読みます。ところが実際のネイティブの多くは /bɑːðz/ と発音します——th 自体が無声の /θ/ から有声の /ð/(this の音)に変わり、それに引っ張られて s も /z/ になるのです。
聞き間違いでも、相手の発音がゆるいわけでもありません。th で終わる一部の名詞に実際に起きる音変化で、しかも全部の単語に当てはまるきれいな規則が存在しません。グループごとに覚えるしかない話です。
有声化するグループ
単数は無声の /θ/、複数では th が有声の /ð/ に変わり、s も /z/ になります。
- bath /bɑːθ/ → baths /bɑːðz/
- mouth /maʊθ/ → mouths /maʊðz/
- path /pɑːθ/ → paths /pɑːðz/
- wreath /riːθ/ → wreaths /riːðz/
- oath /əʊθ/ → oaths /əʊðz/
- youth /juːθ/ → youths /juːðz/
共通点は、どれも身近で触れられる具体的な名詞だということ——お風呂、口、小道、花輪。
まったく有声化しないグループ
こちらは単数複数ともに /θs/ で安定していて、例外がありません。
- month /mʌnθ/ → months /mʌnθs/
- length /leŋθ/ → lengths /leŋθs/
- width /wɪdθ/ → widths /wɪtθs/
これはランダムではなく、th の直前にある音のせいです。これらの単語では th の前に鼻音(n、ŋ)や別の子音が続いています。子音のあとに有声の th、さらに有声の z を詰め込むのは発音上とても言いにくく、英語はまとめて無声のまま通してしまいます。「th の直前に子音があると有声化しない」——これはこの話題の中で数少ない、本当にあてになる規則です。
いちばん引っかかりやすいのは、見た目は同じなのに有声化しない単語
myth /mɪθ/ → myths /mɪθs/、death /deθ/ → deaths /deθs/、faith /feɪθ/ → faiths /feɪθs/、breath /breθ/ → breaths /breθs/。
これらは構造的には bath や mouth と同じ「母音・二重母音+th」で終わる単語です。最初のグループのパターンからすると有声化しそうですが、実際には有声化しません。ここがこの音変化のいちばん厄介なところです。綴りから100%導き出せる規則ではなく、それぞれの単語が歴史の中で別々の道をたどってきた結果で、見た目が似ていても読み方が同じとは限らないのです。
ネイティブ同士でも意見が割れる
有声化するグループの中でも、どのくらい強く有声化するかは話者や地域によって差があります。辞書では paths や truths のような単語に /ðz/ と /θs/ の両方を標準として併記していることが珍しくありません。どちらが「正解」か迷うとしたら、それはあなたの勉強不足ではなく、ネイティブの間でも完全には統一されていないというだけのことです。
練習法:規則を探すより、短いリストを覚える
一つの万能な公式にまとめようとしても無理があります——この音変化そのものに、きれいな公式が存在しないからです。実際に役立つのは、bath、mouth、path、youth、wreath、oath といった頻出単語の複数形を一つずつ確認して、有声化した発音を耳に定着させること。あまり使わない単語については、うろ覚えの「規則」で推測するより、その都度調べる方が確実です。
ある単語の複数形が /θs/ なのか /ðz/ なのか迷ったら——PHONO はカメラを向けるだけで英文を単語ごとに IPA で表示し、米英どちらの音声も聞き比べられます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com