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日本語は高低アクセント、英語は強勢アクセント——一音節ずつ調子をつけると英語らしくならない理由

英単語は全部合っているのに、「棒読みに聞こえる」「一音ずつ区切って読んでいる」と言われたことはありませんか。原因は個々の音ではなく、高さ(ピッチ)の使い方にあることが多いです。

日本語は、高さがアクセントとして単語に固定されている

標準語には高低アクセントがあります。「はし」は、高→低なら「箸」、低→高なら「橋」——同じ音の並びでも、ピッチの型が変われば別の単語になります。しかも日本語はモーラ拍のリズムを持つ言語で、原則としてどのモーラもほぼ同じ長さで発音されます。この二つの習慣——モーラごとに等しい長さで、単語ごとに決まったピッチの型を乗せる——が、そのまま英語に持ち込まれてしまうのです。

英語は、ピッチではなく「際立ち」で単語を区別する

英語は強勢アクセント言語です。意味を分けているのはピッチの型ではなく、どの音節が際立っているか——その音節だけが大きく、長く、母音がはっきり発音され、それ以外の音節は短く、弱く、あいまいな /ə/ に潰れます。

さらに重要なのは、英語のピッチは単語に固定されていないということです。同じ強勢音節でも、平叙文では下がり、疑問文では上がり、驚きの表現ではさらに跳ね上がることもあります。ピッチの向きは文の種類で変わり、強勢の位置そのものは変わりません。

banana /bəˈnɑːnə/ を見てみましょう。際立たせるべきは真ん中の音節だけ——大きく、長く、母音もはっきり。前後の音節は弱く、あいまいなままでいい。三つの音節すべてに同じ長さ・同じ調子を乗せてしまうと、banana は一語ではなく、三つの独立した音の羅列に聞こえてしまいます。

もう一つ、record は名詞なら REcord、動詞なら reCORD。この違いを作っているのはピッチの向きではなく、どちらの音節が大きく長くはっきりしているかです。文全体のピッチが疑問文で上がっていても、強勢のある音節が担っているのは「際立ち」であって、ピッチの向きそのものではありません。

練習法:ほとんどの音節から"個性"を抜く

単語ごとのピッチの型を覚え直す必要はありません。むしろ逆の練習が効きます。強勢のない音節はできる限り平らに、短く、あいまいにする。そして一つの音節だけに、大きさ・長さ・はっきりした母音の三つを同時に乗せる。そのピッチが上がるか下がるかは、文全体のイントネーションに任せてしまって構いません。

banana で練習してみてください。最初と最後の音節をできるだけ平らに縮め、真ん中の音節だけをしっかり伸ばして強く読む。一語に重心がひとつだけになった感覚がつかめると、英語が急に「棒読み」から「話し言葉」に変わります。

どの音節に強勢が来るのか一目でわかるように——PHONO はカメラを向けるだけで、英文を単語ごとに IPA(強勢つき)で表示し、米英どちらの音声も聞けます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com