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word と ward、なぜ母音が違うのか——war- と wor- の読み分け

英語の "or" は、たいてい予測どおりに読めます。for、north、sport、short——全部 /ɔː/。このルールを覚えておけば、初めて見る単語でもかなりの確率で正しく読めます。

ところが word に来ると、そのルールが崩れます。同じ "or" なのに、母音がまったく違うのです。

w が前につくと "or" は変身する

word、work、world、worm、worse、worst、worth——これらの単語の "or" は /ɔː/ ではありません。/ɜː/、つまり her や bird と同じ母音です。

これは読み間違いではなく、そもそもこう発音される単語群です。歴史的に、/w/ の音が直前にあると、その後ろの "or" の母音が口の中央寄りに引っぱられる変化が起きて、それが定着しました。ルールを見落としているのではなく、これは正真正銘の例外グループなのです。

"war-" はまったく別のグループ

見た目がそっくりな war、warm、ward、wart、reward、toward は、同じ変化をたどりませんでした。こちらの "ar" は、もともと期待される /ɔː/ に近い音のまま残っています。

その結果、word と ward は綴りではほぼ隣同士なのに、音はまったく対応しません——word は /wɜːd/、ward は /wɔːd/。綴りから読みを推測することはできず、どちらのグループに属するかを個別に覚えるしかありません。

例外の中の例外:worry

worry、worried、worrying は見た目こそ "wor-" グループそのものですが、母音はどちらでもありません。/ˈwʌri/——hurry や curry と同じ母音です。/ɜː/ でも /ɔː/ でもない。これはショートカットのしようがなく、単独で覚えるしかない単語です。

もう一段深い話:サイレント e があるとルールがリセットされる

さらに興味深いのはここからです。"or" のあとにサイレント e が続く "or_e" というパターンの場合、直前の /w/ の影響は効かなくなり、母音は /ɔː/ に戻ります。だから wore と worn は /wɔː/、/wɔːn/ であって、word と同じ三文字で始まっているのに /wɜː/、/wɜːn/ にはなりません。違いはあの発音しない e ひとつだけですが、それだけで母音がひっくり返るのです。

練習法:綴りではなく音でグループ分けする

紙に二列書いてみてください。一列は /ɜː/ グループ(word、work、world、worm、worse、worst、worth、worship)、もう一列は /ɔː/ グループ(war、warm、ward、wart、reward、toward、wore、worn)。声に出して読みながら、あごと唇の動きに注目してください。/ɜː/ は口の中央寄りで唇の力を抜き、/ɔː/ は唇を少し丸めます。混同するのはごく自然なことです。これは英語の中でも珍しい、「綴りが同じでも読みが分かれる」典型例のひとつで、綴りだけでは埋まらない部分を、もうひとつの記憶のリストで補うしかありません。

「見た目は同じ韻を踏みそうなのに、実際は違う」——そう感じたら綴りから推測せず、確かめるのが一番です。PHONO はカメラを英文にかざすだけで単語ごとに IPA を表示し、米音と英音を聞き比べられます。
ダウンロード:https://apps.apple.com/us/app/phono-english-phonetics-ipa/id6783243417 · phono.douhouse.com